“いたみじょう”の漢字の書き方と例文
語句割合
伊丹城100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いうまでもなく、その後の消息と、にわかに、荒木村重の伊丹城いたみじょうへ赴くことになった事情を、書中つぶさに伝えておいたものだろう。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜといえば官兵衛は、主命をおびて、伊丹城いたみじょうおもむき、村重が卑劣ひれつなる奸計かんけいに陥ちて幽囚ゆうしゅうされたもの。正邪な歴々、天下の衆目、誰か彼を曲として憎まぬものあろうや。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
織田信長の寄手の一軍は、機をすかさず、伊丹城いたみじょうへ入って、これを占拠してしまった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊丹城いたみじょうから脱出した晩、暗夜のなかで、何者とも知れぬ敵に一太刀ぎられた左の脚の関節部だった。……そっと、襤褸ぼろをめくってみると、血膿ちうみをふくんだ傷口は大きく口をあいていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつて、わしが伊丹城いたみじょうの獄中にとらわれていたとき、獄舎の窓に、藤の花が咲いていた。この藤の花が咲きみつる頃は、到底、わが生命いのちはあるまいと、朝に見、夕べに見、ひそかに覚悟をきめていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸事しょじこうのおさしずを待つがよろしかろうとの御意ぎょいに、もはや何処もかしこも味方の陣地を通ることゆえ、何の危険もありませぬが、ご案内のため、伊丹城いたみじょうの外よりお供させて戴いておりまする。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)