“いそやま”の漢字の書き方と例文
語句割合
磯山100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
磯山いそやまの若葉の上には、もう夏らしい海雲かいうん簇々ぞくぞくと空に去来していると云う事、その雲の下に干してある珊瑚採取さんごさいしゅの絹糸の網が、まばゆく日に光っていると云う事
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大阪なる安藤氏の宅に寓居ぐうきょすること数日すじつにして、しょうは八軒屋という船付ふなつきの宿屋にきょを移し、ひたすらに渡韓の日を待ちたりしに、一日あるひ磯山いそやまより葉石はいし来阪らいはんを報じきたり急ぎその旅寓に来れよとの事に
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
男は毎晩、磯山いそやまを越えて、娘の家の近くまでかよって来る。すると娘も、刻限こくげんを見計らって、そっと家をぬけ出して来る。が、娘の方は、母親の手前をかねるので、ややもすると、遅れやすい。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)