“いせおんど”の漢字の書き方と例文
語句割合
伊勢音頭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古市の大楼には柏屋かしわや、油屋、備前屋、杉本屋などいうのがあります。これらの四軒には、いずれも名物の伊勢音頭いせおんどというものがあります。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
舞台もとかく休みがちで、それから四、五年後、演伎座の子供芝居で「伊勢音頭いせおんど」の喜助をつとめたのを名残りに早世した。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
玉藻たまもまえとか、伊勢音頭いせおんどとか、ああ云う物はなかなか大阪とは違っていて面白いそうだよ」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
胡弓こきゅうと太鼓に合せた伊勢音頭いせおんどが、河波を渡って道庵先生のウトウトしかけたところへ、それがとうとうたらりと流れ込むので、先生の好い心持を、またもう一層よい心持にして
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのときの狂言は一番目が「妹背山いもせやま」の吉野川、道行みちゆき、御殿、中幕が「矢口渡やぐちのわたし」、二番目が新作の「伊勢音頭いせおんど」で、一番目の吉野川では団十郎の定高さだか、芝翫の大判事だいはんじ、左団次の久我之助こがのすけ、福助の雛鳥。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なおくわしくいえば、伊勢音頭いせおんどで名高い古市ふるいち尾上坂おべざかと宇治の浦田坂の間、俗に牛谷というところあたりが、いわゆる間の山なので、そこには見世物や芸人や乞食がたくさん群がって
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)