“いくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
猪首94.9%
猪頸5.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小男の岩城播磨守は猪首いくびに口をへの字に曲げて、長身、痩躯そうく白皙はくせき胡麻塩ごましお各人各様かくじんかくようの一癖ありげな面だましいだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
殊に赤と白と三角模様の倭衣しずりそでをまくり上げた、顔中かおじゅうひげうずまっている、せいの低い猪首いくびの若者は、誰も持ち上げない巌石を自由に動かして見せた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この酒店の主人というのは、猪頸いくびの、勇敢そうな、三十歳くらいの男であった。そして熱しやすい気性の人間に違いなかった。
然も猪頸いくびで全然どちらへも曲らない。どちらへも曲らないから、自然、話し相手の顔は滅多に見ないで、いつも暖炉の端か扉口へ眼をやっているのだ。