“あかにご”の漢字の書き方と例文
語句割合
赤濁100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洋服の男は独りでこんなことを云ってから、またテーブルの上を叩いて思いを遠くの方へせるようにしたが、その拍子に隻方かたほう赤濁あかにごりのした眼がちらと見えた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
赤濁あかにごりに濁った長江ちょうこうの水に、まばゆ水脈みおを引いたなり、西か東かへ去ったであろう。その水の見える波止場はとばには、裸も同様な乞食こじきが一人、西瓜すいかの皮をじっている。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
許宣は独りで往くことにして、舟を雇い、上流約一里の所にある金山寺の島山しまやまへ往った。揚子江の赤濁あかにごりのした流れを上下して金山寺へ往来する参詣人の舟が水鳥の群れたように浮んでいた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)