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中食
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ちゅうじき
ふりがな文庫
“
中食
(
ちゅうじき
)” の例文
よほど困窮していたと見えて、初めての日の
中食
(
ちゅうじき
)
に、竹の皮へ包んできた
握飯
(
おにぎり
)
と梅干をつまんで食べたので侮ってしまったのだった。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
おい、おかくさんとやら、お前忘れはしまい、十三年あと鴻の巣の田本で
中食
(
ちゅうじき
)
をした時お前さんと道連になり、やれこれ云っておえいを
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
岐阜
(
ぎふ
)
の
釜座町
(
かまざまち
)
の辻で、彼は、
中食
(
ちゅうじき
)
などすまして出て行った。
頻
(
しき
)
りに町の軒ならびを眺めながら行く。何を求めるのでもない。ただ時々
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その日は
中食
(
ちゅうじき
)
を外でして、三時過ぎに帰って、自分の部屋へ
這入
(
はい
)
ると間もなく、茶を飲みに来いと云って呼びにきた。今日も曇っている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もっとも、あらかじめこれだけは断わっておきたい。それは、毎日朝食から
中食
(
ちゅうじき
)
までの時間は講義にあててあるということだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
娘は、お
中食
(
ちゅうじき
)
のしたくいたしましょうかといったきり、あまり口数をきかない、予は食事してからちょっと
鵜島
(
うじま
)
へゆくから、舟をたのんでくれと命じた。
河口湖
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
なるほど、その顎の向った方角、
活鯛
(
いけだい
)
屋敷の前に、いつの間に出来たか、
洒落
(
しゃれ
)
た料理屋が一軒、大門松を押っ立てて、年始廻りの
中食
(
ちゅうじき
)
で賑わっていたのです。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
午の
下刻
(
げこく
)
、上様ご
中食
(
ちゅうじき
)
の後、お
仮屋青垣
(
かりやあおがき
)
までお出ましになるが、特別の思召しをもって、垣そとにて両人に
床几
(
しょうぎ
)
をさしゆるされる。……
介添
(
かいぞえ
)
はおのおの一名かぎり。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
古戦場を弔うような感想を生じてその一軒に入り、
中食
(
ちゅうじき
)
を求め数多き一間に入って食いながら
床間
(
とこのま
)
を見ると、鉄砂で黒く塗りいる。他の諸室を
歴
(
へ
)
巡
(
めぐ
)
るに皆同様なり。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「彼等二人は、ちょうどお
中食
(
ちゅうじき
)
をしているに違いない……」と彼は思った。「テーブルの上には真白な布が敷かれて、コックがお
菜
(
さい
)
を運んで来る。たぶん支那料理だろう。 ...
幸福な家庭
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチはこの
頃
(
ごろ
)
では
始終
(
しじゅう
)
彼
(
かれ
)
の
留守
(
るす
)
にばかり
行
(
ゆ
)
く。ダリュシカは
旦那
(
だんな
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
は
定刻
(
ていこく
)
に
麦酒
(
ビール
)
を
呑
(
の
)
まず、
中食
(
ちゅうじき
)
までも
晩
(
おく
)
れることが
度々
(
たびたび
)
なので
困却
(
こま
)
っている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
道を挟んで、牡丹と相向う処に、
亜鉛
(
トタン
)
と
柿
(
こけら
)
の継はぎなのが、ともに腐れ、屋根が落ち、柱の倒れた、以前掛茶屋か、
中食
(
ちゅうじき
)
であったらしい伏屋の
残骸
(
ざんがい
)
が、
蓬
(
よもぎ
)
の
裡
(
なか
)
にのめっていた。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女中が京子の居間へ
中食
(
ちゅうじき
)
を知らせに行くと、そこにいる筈の京子の姿が見えないので、それから騒ぎになって、
邸中
(
やしきじゅう
)
を隅から隅まで探し廻ったが、まるで蒸発してしまった様に
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
種彦はどこかこの近辺に閑静で手軽な料理茶屋でもあらば久ぶり門人らと共に
中食
(
ちゅうじき
)
を
準
(
ととの
)
えたいと言出すと、毎日のぞめき
歩
(
あるき
)
に至極案内知ったる柳下亭
種員
(
たねかず
)
心得たりという
見得
(
みえ
)
で
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二人は停車場の付近にある
或
(
あ
)
る小ぎれいな旅館を兼ねた料理屋で
中食
(
ちゅうじき
)
をしたためた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ここで
中食
(
ちゅうじき
)
をしている間にも、お松はその心持で街道の方を眺めていました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
身仕度が終ると家を出て
宵
(
よい
)
の六時まで散歩し六時に外で
中食
(
ちゅうじき
)
を済せ、夫から多くはゲルボアの珈琲館に入り昔友達と珈琲を
呑
(
のん
)
だり
歌牌
(
かるた
)
を仕たりして遅くも夜の十一時には帰て来て
寝床
(
ねどこ
)
に就きました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
シュールダンの大広間は
中食
(
ちゅうじき
)
の人々でいっぱいである。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
文「左様か、どうも有難い、
就
(
つい
)
ては御亭主
中食
(
ちゅうじき
)
の用意をして下さい、今から夜へ掛け、その二居峠中の峰まで
往
(
ゆ
)
かにゃアならぬ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
、これなりでは何やら惜しまれてなりません。……どこかそこらの小酒屋で、ご
中食
(
ちゅうじき
)
でもともにしていただけますまいか
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
初秋の
浜名湖
(
はまなこ
)
を渡って、
舞坂
(
まいさか
)
の宿外れ、とある茶店で
中食
(
ちゅうじき
)
を認め、勘定をする
積
(
つも
)
りで
取出
(
とりだ
)
した紙入を、
衝立
(
ついたて
)
の蔭から出た長い手が、いきなりさらって表口へ飛出したのです。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
馴染
(
なじみ
)
になって、元老の娘が、五つばかり
年紀上
(
としうえ
)
だが優しい
婦
(
おんな
)
で、可愛い小僧だから、つい
親
(
したし
)
んで、
一日
(
あるひ
)
、能会の日、
中食
(
ちゅうじき
)
の弁当を御馳走して、お茶を入れて二人で食べていた。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の想像に間違いなければ、林君は昨日正午、
中食
(
ちゅうじき
)
を終ると二郎君の部屋から
弾丸
(
たま
)
の装填してあった火繩銃を持ち出して、この部屋に戻り、それをこの机に
凭
(
もた
)
れ乍ら
弄
(
もてあそ
)
んでいたのです。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その人たちが——無数な人たちが、一時大丸の店を一ぱいに占領してお
中食
(
ちゅうじき
)
をする。それから一休みして順繰りにくりだす。先頭が両国橋へかかる時分に、まだ中頃のが足揃いをしている。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
中食
(
ちゅうじき
)
はテストフ
亭
(
てい
)
と
云
(
い
)
う
料理店
(
りょうりてん
)
に
入
(
はい
)
ったが、ここでもミハイル、アウエリヤヌイチは、
頬鬚
(
ほおひげ
)
を
撫
(
な
)
でながら、ややしばらく、
品書
(
しながき
)
を
拈転
(
ひねく
)
って、
料理店
(
りょうりや
)
を
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
のように
挙動
(
ふるま
)
う
愛食家風
(
あいしょくかふう
)
の
調子
(
ちょうし
)
で。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
中食
(
ちゅうじき
)
は
又左
(
またざ
)
の浪宅にてしたためる。わしは
葛屋
(
くずや
)
へ立寄って、
饅頭
(
まんじゅう
)
を
誂
(
あつら
)
えて後より気まかせに参るゆえ、そちたちは、
人見又左
(
ひとみまたざ
)
の宅で待ちあわしておれ
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吾妻川
辺
(
べり
)
に付いて
村上山
(
むらかみやま
)
を横に見て、市城村
青山村
(
あおやまむら
)
に出まして、
伊勢町
(
いせまち
)
より
中
(
なか
)
の
条
(
じょう
)
という
所
(
とこ
)
に掛った時はもう二時少々廻った頃、
木村屋
(
きむらや
)
と申す
中食
(
ちゅうじき
)
場所がございます。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小田原の町外れ、上り下りの客に、一番安くて
盛沢山
(
もりだくさん
)
な
中食
(
ちゅうじき
)
を食わせようという、一ぜん飯屋の奥、煮しめたような
茣蓙
(
ござ
)
の上に
列
(
なら
)
んで坐って、宜い加減陶然とした二人でした。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
前
(
さき
)
には
彼
(
かれ
)
は
中食後
(
ちゅうじきご
)
は、きっと
室
(
へや
)
の
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
歩
(
ある
)
いて
考
(
かんが
)
えに
沈
(
しず
)
んでいるのが
常
(
つね
)
であったが、この
頃
(
ごろ
)
は
中食
(
ちゅうじき
)
から
晩
(
ばん
)
の
茶
(
ちゃ
)
の
時
(
とき
)
までは、
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
になる。と、いつも
妙
(
みょう
)
な一つ
思想
(
しそう
)
が
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
ぶ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
和田の山越えにかかって行ったということを、
中食
(
ちゅうじき
)
をした
旅籠屋
(
はたごや
)
の女中から聞きました——というのである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌四日は
鴻巣
(
こうのす
)
の
田本
(
たもと
)
が
中食
(
ちゅうじき
)
です。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
午刻
(
ひるどき
)
でもあるし、遠乗りの御空腹もあろうで、すぐまた、お
中食
(
ちゅうじき
)
——と仰せ出されるかも知れぬ。早く
厨
(
くりや
)
の膳部の者へ、料理の手廻しを、申しつけておけい」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中食
(
ちゅうじき
)
も出来る宿屋があります。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ちょうど
割子
(
わりご
)
(弁当)をつかう時刻である。並木の蔭に、輿はおろされ、輿の内へも
中食
(
ちゅうじき
)
が供された。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この一巻と、三、四通の文章とを、
帛紗
(
ふくさ
)
につつみ、しかと、そちが肌身につけて持っておれ。——そして予が、
羽衣
(
はごろも
)
を舞うて、舞い終る頃、午の
中食
(
ちゅうじき
)
の休みとなろう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中食
(
ちゅうじき
)
のときには家中の席へ
交
(
ま
)
じって、かれも拝領の
折弁当
(
おりべんとう
)
を手に楽しげに箸をつけていた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という触れこみであったが、単に
中食
(
ちゅうじき
)
をとるためではなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“中食”の解説
中食(なかしょく)とは、本来は中食(なかじき、ちゅうじき、昼食の意)だが、家庭外で調理された食品を、購入して持ち帰るあるいは配達等によって、家庭内で食べる食事の形態。
外食(飲食店など家庭外で調理された食品を家庭外で食事する形態)や内食(家庭内で調理を行って食事を行う形態)の対義語である。なお、類似の概念として米国などで用いられるHMR(Home Meal Replacement)があるが厳密には同義ではない(後述)。
(出典:Wikipedia)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
食
常用漢字
小2
部首:⾷
9画
“中食”で始まる語句
中食後
中食中
中食処
中食所
中食迄