電柱でんちう)” の例文
警備隊けいびたいから、驚破すはかけつけた兵員達へいゐんたちは、外套ぐわいたうなかつたのがおほいさうである。危險きけんをかして、あの暴風雨ばうふううなかを、電柱でんちうぢて、しとめたのであるといた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかしつぎかた、おれはかへりゆく労働者らうどうしやのすべてのこぶしのうちにぎめられたビラのはし電柱でんちうまへに、倉庫さうこよこに、かぜにはためく伝単でんたんた、同志どうしやすんぜよ
小兒こどもたちと一所いつしよに、あら/\と、またひまに、電柱でんちうくうつたつて、斜上なゝめあがりのたか屋根やねへ、きら/\きら/\とあをひかつてかゞやきつゝ、それよりひかりまぶしくえて、たちまたゞ一天いつてん
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これが角屋敷かどやしきで、折曲をれまがると灰色はひいろをしたみち一筋ひとすぢ電柱でんちういちじるしくかたむいたのが、まへうしろへ、別々べつ/\かしらつて奧深おくぶかつてる、鋼線はりがねまたなかだるみをして、ひさしよりもひくところを、弱々よわ/\と、なゝめに
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ほろびるといつて、あへ部落ぶらくくなるといふ意味いみではない、おとろへるといふ意味いみではない、ひといへとはさかえるので、進歩しんぽするので、繁昌はんじやうするので、やがてその電柱でんちう眞直まつすぐになり、鋼線はりがねはり
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たん電柱でんちうばかりでない、鋼線はりがねばかりでなく、はしたもと銀杏いてふも、きしやなぎも、豆腐屋とうふやのきも、角家かどやへいも、それかぎらず、あたりにゆるものは、もんはしらも、石垣いしがきも、みなかたむいてる、かたむいて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)