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膝栗毛
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ひざくりげ
ふりがな文庫
“
膝栗毛
(
ひざくりげ
)” の例文
その夜は
座
(
すわり
)
相撲や腕押しで夜遅くまで大いに騒いだ。ところで、水戸から
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
に鞭打って、我が一行に
馳
(
は
)
せ加わった三勇士がある。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
晩年大河内子爵のお
伴
(
とも
)
をして俗に
柘植黙
(
つげもく
)
で通ってる
千家
(
せんけ
)
の茶人と、同気相求める三人の変物
揃
(
ぞろ
)
いで東海道を
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
の気散じな旅をした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
東海道中膝栗毛のこと 十
遍舎
(
ぺんしゃ
)
一九の書いた『東海道中
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
』という書物をご存じでしょう。
弥次郎兵衛
(
やじろべえ
)
、喜多八の旅行ものがたりです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
いや、
正
(
しょう
)
のものの
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
で、
聊
(
いささ
)
か気分なるものを
漾
(
ただよ
)
わせ過ぎた形がある。が、
此処
(
ここ
)
で早速
頬張
(
ほおば
)
って、
吸子
(
きびしょ
)
の
手酌
(
てじゃく
)
で
飲
(
や
)
った
処
(
ところ
)
は、我ながら
頼母
(
たのも
)
しい。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
武士の大小をたばさみて
雪隠
(
せついん
)
に
入
(
い
)
れる図の如きは、一九が『
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
』の滑稽とその
揆
(
き
)
を一にするものならずや。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
山谷堀の船宿、
角中
(
かくちゅう
)
の亭主は、狂歌や
戯作
(
げさく
)
などやって、ちっとばかり筆が立つ。号を十
字舎
(
じしゃ
)
三九といっていたが、後に、十
返舎
(
ぺんしゃ
)
一九
(
いっく
)
と改めて、例の
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を世間に出した。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
焉馬、三馬、源内、一九等の著書を読む時に、われは必らず彼等の
中
(
うち
)
に潜める一種の平民的虚無思想の
絃
(
いと
)
に触るゝ思あり。
就中
(
なかんづく
)
一九の著書「
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
」に対してしかく感ずるなり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
金の
鯱
(
しゃちほこ
)
がある尾張名古屋の土を踏んでいないなんぞは
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
もすさまじいや、という一種の義憤から、木曾道中を、わざわざ道を
枉
(
ま
)
げてこの尾張名古屋の城下に乗込んで来たのは
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
主なる俳優は市川八百蔵、市川寿美蔵、市川新蔵、中村伝五郎、嵐和三郎、中村勘五郎、中村鶴蔵、岩井松之助などという顔触れで、一番目狂言は「
妹背山
(
いもせやま
)
」と「
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
」のテレコ。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
やむをえず下乗して自分の
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
で駈け去ったとチュボアの『
印度風俗志
(
ヒンズ・マナース
)
』二に
出
(
い
)
づ
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かの
田舎源氏
(
いなかげんじ
)
、
自来也
(
じらいや
)
物語、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
、
八笑人
(
はっしょうじん
)
、義太夫本、浄瑠
理
(
ママ
)
本のごとき、婦女童子もこれを読んでよく感動し、あるいは笑い、あるいは
哀
(
かなし
)
むもの、まことに言語・文章の
相同
(
あいおなじ
)
きゆえんなり。
平仮名の説
(新字新仮名)
/
清水卯三郎
(著)
『
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
』、平賀源内、京伝、黄表紙、落語等の或る種のもの等。
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
だろう。ひとりでかい?」
グッド・バイ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
木曾街道
(
きそかいどう
)
、
奈良井
(
ならい
)
の駅は、中央線起点、
飯田町
(
いいだまち
)
より一五八
哩
(
マイル
)
二、海抜三二〇〇尺、と言い出すより、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を思う方が手っ取り早く行旅の情を催させる。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「谷殿、待て。——馬は仆れても虎之助の
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
は、この通り達者ですぞ。先々でも、敵の名馬を
奪
(
と
)
ってみしょう。槍の働きにかけても、貴殿におくれは取り申さぬ。覚えておかれよ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東海道
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
もすさまじいや、尾張名古屋は城で持つと、雲助までも唄っていらあな、
宮重
(
みやしげ
)
大根がどのくらい
甘
(
うめ
)
えか、尾州味噌がどのくらいからいか、それを噛みわけてみねえことにゃ
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
労働者どもがそんなに威張り出したも誰のおかげだ、義理知らずめと詈っても取り合ってくれず、身から出た
銹
(
さび
)
と自分を恨んで、ひもじく月を眺め、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を疲らせた者少なくなかったは
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
手巾
(
ハンカチ
)
の
洗
(
あら
)
つたの、ビスミツト、
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
んでありますよ。
寶丹
(
はうたん
)
、
鶯懷爐
(
うぐひすくわいろ
)
、それから
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
が
一册
(
いつさつ
)
、いつも
旅
(
たび
)
と
云
(
い
)
ふと
持
(
も
)
つておいでなさいますが、
何
(
なん
)
になるんです。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
喜多
(
きた
)
は
一人
(
ひとり
)
、
俯向
(
うつむ
)
いて、
改良謙信袋
(
かいりやうけんしんぶくろ
)
の
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を、
縞
(
しま
)
の
着
(
き
)
ものの
胡坐
(
あぐら
)
に
開
(
あ
)
けた。スチユムの
上
(
うへ
)
に
眞南風
(
まみなみ
)
で、
車内
(
しやない
)
は
蒸
(
む
)
し
暑
(
あつ
)
いほどなれば、
外套
(
ぐわいたう
)
は
脱
(
ぬ
)
いだと
知
(
し
)
るべし。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
本箱
(
ほんばこ
)
をさがして、
紫
(
むらさき
)
のおん
姉君
(
あねぎみ
)
の、
第七帖
(
だいしちでふ
)
を
出
(
だ
)
すのも
仰々
(
ぎやう/\
)
しからう。……
炬燵
(
こたつ
)
を
辷
(
すべ
)
つてあるきさうな、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
の
續
(
ぞく
)
、
木曾街道
(
きそかいだう
)
の
寢覺
(
ねざめ
)
のあたりに、
一寸
(
ちよつと
)
はさんで。……
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
口誦
(
くちずさ
)
むように
独言
(
ひとりごと
)
の、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
五編の上の読初め、霜月十日あまりの初夜。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶯懷爐
(
うぐひすくわいろ
)
で
春
(
はる
)
めいた
處
(
ところ
)
へ、
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
で
少
(
すこ
)
し
氣勢
(
きほ
)
つて、
熱燗
(
あつかん
)
で
蟲
(
むし
)
を
壓
(
おさ
)
へた。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
栗
漢検準1級
部首:⽊
10画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“膝栗毛”で始まる語句
膝栗毛的
膝栗毛漫遊