吾等われら)” の例文
少年せうねんゆびさかたながめると如何いかにも大變たいへん! 先刻せんこく吾等われら通※つうくわして黄乳樹わうにうじゆはやしあひだより、一頭いつとう猛獸まうじういきほいするどあらはれてたのである。
パリス いづれも名譽めいよ家柄いへがらであらせらるゝに、ひさしう確執なかたがひをなされたはおどくでござった。ときに、吾等われら申入まうしいれたこと御返答ごへんたふは?
座頭ざとうまをすやう、吾等われら去年いぬるとしおとにきゝし信濃しなのなる木曾きそ掛橋かけはしとほまをすに、橋杭はしぐひまをさず、たによりたに掛渡かけわたしのてつくさりにてつな申候まをしさふらふ
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たとえて見れば(彼方を指して)あの沙の小高くなっている蔭になって一寸ちょっと、黒い木立の頭が覗いていたとする。吾等われらは、何とも思っていない。
日没の幻影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ラインハルト合唱団の「吾等われら病める足を持ちて雄々おおしくも急げり」(第七八番)(J八六四〇)、以上二枚は傑出したレコードと言えるだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
銀色ぎんいろ薔薇ばらの花、人間の夢の香爐にも譬ふべき薔薇ばらの花、吾等われらの心臟を取つて煙にしてお了ひ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
みな罪悪である。吾等われらの心象中微塵みじんばかりも善の痕跡こんせきを発見することができない。この世界に行わるる吾等の善なるものは畢竟ひっきょう根のない木である。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
幽霊船に近よるな、吾等われらは……? 人間よりもおそろしい……? ——これが、丸尾技士の遺書だった。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほぼ同年頃の吾等われらの子供等と比べると眉宇びうの間にどことなしに浮世の波の反映らしいものがある。膝の上にはどうも西洋菓子の折らしい大きな紙包みを載せている。
初冬の日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かくて、吾等われら二人は、過来すぎこかたをふりかへる旅人か。また暮れく今日の一日ひとひを思ひ返して、燃えいずる同じ心の祈祷きとうと共に、その手、その声、その魂を結びあはしつ。
おかしさはこれのみならず、余は今日二時間ばかりにて十五里歩みぬ、またおかしからずやと云えば、亭主、否々、吾等われらおいたれども二時間に三十里はあゆむべしと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
という意味は、この世に居る吾等われら綴錦つづれにしきの裏側に住んでるようなもんじゃという意味です。
吾等われらは世界にたつた一つの健康を与へてれる戦争を歌はうと思ふ。
汽車きしや大磯おほいそるとぐ(吾等われら二人ふたりぎりになつたので)
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
満島みちしまにわたりて遊ぶ人等ひとらゆく月に照らされ吾等われらもい
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
吾等われら喫驚びつくりして其方そなた振向ふりむくと、此時このとき吾等われらてるところより、大約およそ二百ヤードばかりはなれたもりなかから、突然とつぜんあらはれて二個ふたりひとがある。
マーキュ なんぢゃ、調子てうしあはせて? 吾等われら樂人扱がくにんあつかひにするのか? 樂人扱がくにんあつかひにりゃ、みゝ顛覆でんぐりかへらする音樂おんがくきかす。準備よういせい。
吾等われらの祖先及びその時代の人が、かつて子供を寝かし付ける時に、こういう自然の声調せいちょうをなした。
単純な詩形を思う (新字新仮名) / 小川未明(著)
宗垣そうえん陳性善ちんせいぜん彭与明ほうよめいは死し、何福はのがれ走り、陳暉ちんき平安へいあん馬溥ばふ徐真じょしん孫晟そんせい王貴おうき等、皆とらえらる。平安のとりことなるや、燕の軍中歓呼して地を動かす。曰く、吾等われらこれより安きをんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
嗚呼をこなるかな吾等われら晝寢ひるねしてもあるべきを、かくてつれ/″\をすごすにこそ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
次に前論士は吾等われらの世界に於ける善について述べられた。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
吾等われらたちまちに寒さの闇におちいらん。
死神しにがみ吾等われら婿むこ死神しにがみ吾等われら嗣子あとつぎ此上このうへ吾等われらんでなにもかも彼奴あいつれう、いのち財産しんだいなにもかも死神しにがみめにれませうわい。
弦月丸げんげつまる運命うんめい最早もはやぷん、二ふん甲板かんぱんにはのこ一艘いつそう端艇たんていい、くなりては今更いまさらなにをかおもはん、せめては殊勝けなげなる最後さいごこそ吾等われらのぞみである。