前進ぜんしん)” の例文
それ大雪おほゆきのために進行しんかうつゞけられなくなつて、晩方ばんがた武生驛たけふえき越前ゑちぜん)へとまつたのです。ひて一町場ひとちやうばぐらゐは前進ぜんしん出來できないことはない。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また鎔岩ようがん次第しだい冷却れいきやくしてるとどんな成分せいぶんのものも流動りゆうどうがたくなり、其後そのご固形こけい岩塊がんかい先頭せんとう岩塊がんかいえて前進ぜんしんするのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
とまつとつちやいかん。ようのないものはずんずん前進ぜんしんする‥‥」と、さわぎの最中さいちう小隊長せうたいちやう大島少尉おほしませうゐががみがみしたこゑ呶鳴どなつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
利害りがい打算ださんからへば無論むろんことたん隣人りんじん交際かうさいとか情誼じやうぎとかてんからても、夫婦ふうふはこれよりも前進ぜんしんする勇氣ゆうきたなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はなしかわって、こちらは、戦場せんじょうであります。てきは、ごわくわがぐん前進ぜんしんをさまたげている。ちゅう一の部隊ぶたいは、クリークをへだてて、そのてきかいあっていました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
つばさをひろげて、ばたいてみましたが、からだがうまく持ちあがりません。キツネたちは、ガチョウが、飛ぶことができないと見てとりますと、いきおいづいて前進ぜんしんしました。
見はるかす積雪せきせつの原である。何か氷山の一部らしい。その広野の中を自然に細長い行列を組んでモーニング姿の者が前進ぜんしんして先方の低い丘陵きゅうりょうのかなたに消えて行く、何千という数だろう。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
しかりと雖も前途ぜんとけんます/\けんにして、人跡なほ未到のはたして予定にちがはざるなきや、之をおもへば一喜一憂交々こも/\いたる、万艱をはいして前進ぜんしんし野猪のゆうを之れたつとぶのみと、一行又熊笹くまささ叢中さうちうに頭をぼつして
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
じりじりと前進ぜんしんした。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
前進ぜんしん
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
そこはありのほうが勇敢ゆうかんで、ともかばねうええて、目的もくてきかって前進ぜんしんをつづけるというふうで、この無抵抗むていこう抵抗ていこうには、こちらが、かえって根負こんまけをしてしまったよ。そのとき、かんじたんだ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大火災だいかさいのときは、地震ぢしんとは無關係むかんけいに、旋風せんぷうおこちである。火先ひさきなかくぼ正面しようめんもつ前進ぜんしんするとき、そのまがかどには塵旋風ちりせんぷうづくべきものがおこる。また川筋かはすぢせつした廣場ひろば移動旋風いどうせんぷうによつておそはれやすい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
げるをついげきして、前進ぜんしん、また前進ぜんしんしたのでありました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
前進ぜんしん。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)