“かけつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
駈付30.3%
駈着24.2%
馳付12.1%
夏桀6.1%
駆付6.1%
駈附6.1%
驅付3.0%
南風3.0%
欠継3.0%
馳附3.0%
駆附3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
れは大変な事と思て、すぐ引返ひきかえしておもての方に居る公用方の吉岡勇平よしおかゆうへいにその次第を告げると、同人も大に驚き、場所に駈付かけつ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
腎臓病の青膨れのまま駈着かけつけて来た父親の乙束区長がオロオロしているマユミをつかまえて様子をいてみたが薩張さっぱり要領を得ない。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此寺ここの門前に一軒、婆さんと十四五の娘の親子二人暮しの駄菓子屋があった、その娘が境内けいないの物置に入るのを誰かがちらりと見た、間もなく、その物置から、出火したので、早速さっそく馳付かけつけたけれども
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは歴史画の巨匠、梅沢狂斎が筆をふるった殷紂いんちゅう夏桀かけつ、暴虐の図集であった。
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その傍には根本家と記した高張提燈たかはりぢやうちんが、月が冴々さえ/″\しく満面に照り渡つて居るにもかゝはらず、極めておぼろげに立てられてあるが、自分はそれと聞いて、驚いて、其傍に駆付かけつけて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
家につかふる者ども、其物音に駈附かけつけしも、主人が血相におそれをなして、とゞめむとする者無く、遠巻とほまきにして打騒ぎしのみ。殺尽ころしつくせしお村の死骸は、竹藪の中に埋棄うづみすてて、跡弔あととむらひもせざりけり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此時このとき電光艇でんくわうていはるかのおきから海岸かいがんちかづきたり、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさは、無事ぶじ一隊いつたい水兵すいへいとも上陸じやうりくしてたので、陸上りくじやう一同いちどうたゞちに其處そこ驅付かけつけた。
二人ふたりちうごと驅付かけつけて、ふたはぬは無益むえきやがはら充分じゆうぶんになると、つぎおこつて問題もんだいは、一躰いつたいこのしま如何いかなるしまだらう、見渡みわたところ隨分ずいぶん巨大きよだいしまやうだが
南風かけつ光の網織れば、 ごろろと鳴らす碍子群
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
十年ほどの間に、五十七回も職業を変え、最後に巴里へ行ったときは、陶器の欠継かけつぎをやっていた。古陶器や美術品を上手に修覆するので、好事家に知られ、上流の家庭から注文があった。
悪の花束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
栗のいがが又、大きく口をく頃に成りますと、毎朝私達は裏の方へ馳附かけつけて行つたものです。そして風に落された栗を拾はうとして、樹の下を探し𢌞つたものです。
野良調子のらでうし高声たかごゑげて、広野ひろのかすみかげけぶらせ、一目散いちもくさん駆附かけつけるものがある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)