黒板ボールド)” の例文
ひとりこの抜き書きのみにとどまらず、自分は教師がよく黒板ボールドへ図解して示す絵図なども、そのまま直接教科書に書き入れておいた。
わが中学時代の勉強法 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
其の途端、またメリ/\と音がして、階下の教室の黒板ボールドを壞した音に、ハツと氣付け藥をまされた風で、助役はかう言つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その向う横町に代言だいげんだか周旋屋しゅうせんやだか分らない小綺麗こぎれい格子戸作こうしどづくりのうちがあって、時々表へ女記者一名、女コック一名至急入用などという広告を黒板ボールドへ書いて出す。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三文字紋弥はなにを吹込ふきこんだかわかりませんが、それから三日経たないうちに、さしも城内に桃色の権力を揮ったお金の方が、黒板ボールドに書かれた文字を拭き消したように
一寸ちよいと黒板ボールドを眺めてゐたが、黒板ボールドの上に書いてある、Geschehenゲシエーヘン と云ふ字と Nachbildナハビルド と云ふ字を見て、はあ独乙語かと云つて、わらひながらさつさと消して仕舞つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちょっと黒板ボールドをながめていたが、黒板の上に書いてある Geschehenゲシェーヘン という字と Nachbildナハビルド という字を見て、はあドイツ語かと言って、笑いながらさっさと消してしまった。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)