黄包車ワンポウツ)” の例文
愛情はまだ参木の後姿にからまったまま、沈み出した。すると、お杉は通りかかった黄包車ワンポウツを呼びとめて、参木の面前をけ抜いた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼は参木から支配会社へかかっていた電話を思い出すと、速力の早そうな黄包車ワンポウツを選んでパーテルへ走らせた。彼は車の上で快活であった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
無軌道電車が黄包車ワンポウツの群れを追い廻しながら、街角に盛上った果物の中へ首を突っ込むと、動かなかった。参木は街を曲った。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)