鹿沢かざは)” の例文
家の構造つくりは、唯雨露あめつゆを凌ぐといふばかりに、きもし囲ひもしてある一軒屋。たまさか殿城山の間道を越えて鹿沢かざは温泉へ通ふ旅人が立寄るより外には、ふ人も絶えて無いやうな世離れたところ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)