鷹匠町たかじょうまち)” の例文
あたかも徳川時代の所々の城下に、鷹匠町たかじょうまちだの、餌差町えさしちょうだのがあるのと同じ事で、もと彼らは京の真中に住んでいたのであります。
六月三十日に保の長男三吉さんきちが生れた。八月十日に私立渋江塾を鷹匠町たかじょうまち二丁目に設くることを認可せられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「へい、無い事もござりませぬが、旦那様方の住まっしゃりますような邸は、この居まわりにはござりませぬ。鷹匠町たかじょうまち辺をお聞きなさりましたか、どうでござります。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから徒町おかちまちから百騎町ひゃっきまちを通って、両替町りょうがえちょうから鷹匠町たかじょうまちへ出て、県庁の前で枯柳の数を勘定して病院の横で窓のを計算して、紺屋橋こんやばしの上で巻煙草まきたばこを二本ふかして、そうして時計を見た。……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)