鷸蚌いつぼう)” の例文
鷸蚌いつぼうの争いは漁夫の利ということもないではないが、兄弟かきにせめげども外その侮りを受けずという真理も忘れてはならぬ。
現代日本の思想対立 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
介が動物を挟みくるしめた記事は例の『戦国策』の鷸蚌いつぼうの故事もっとも顕われ、其碩きせきの『国姓爺こくせんや明朝太平記』二の一章に
わしが差止めて、同時にキッパリと申渡しました。鷸蚌いつぼうの争いによって漁夫の利を占めたのが今の婿です。正々堂々の競争は結構ですが、暴力ということがわしの耳に入ったら、もうお仕舞いですよ」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
鷸蚌いつぼう互ひに争ふ時はついに猟師のえものとなる。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)