鷲尾わしお)” の例文
その間鷲尾わしおは実際運動から文化団体へ移っていったりしたが、抜き差しならぬ過去は、こうしてちゃンと現在へつながっていた。——
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
郡奉行こおりぶぎょう鷲尾わしおと、太田村おおたむらの見廻り役、大高新右衛門おおたかしんえもんの両家へ、変を知らせておけ。もはやいずれも駈けつけておるかもしれぬが、念のために」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女流作家鷲尾わしお某と協同で喫茶店をやりたいという希望に頭から反対し、住み込みの家政婦にでもなれといつて、当分、月々四千円の生活費を補助する約束さえしたのである。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
葬儀委員長であった同じ年輩の鷲尾わしおは言うのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この南九州の熊本市まで、東京からあわただしく帰省してきた左翼作家鷲尾わしお和吉は、三日もつともうスッカリ苛々いらいらしていた——。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
(帯刀の手続きは、郡奉行こおりぶぎょうのすること。早速、鷲尾わしおのところへ行って、申し出るがよい)
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鷲尾わしおはわざわざ旅費を工面して帰ってこなければよかったと後悔していた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)