鴫居しきい)” の例文
「まだらむしや、わがゆくさきへ、ゐたならば、山たち姫に、知らせ申さん」右、家を出る時鴫居しきいをまたがぬ前に三遍唱うれば蛇に逢わぬ。
一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるというがわっちにはてんからわかりませぬ、仕事といえば馬鹿丁寧ではこびは一向つきはせず、柱一本鴫居しきい一ツで嘘をいえばかんなを三度もぐような緩慢のろまな奴
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)