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鯉口
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こひぐち
ふりがな文庫
“
鯉口
(
こひぐち
)” の例文
宇佐川鐵馬は小さい身體を
跳
(
をど
)
らせると、苦もなく生垣を越えて、四角な顏を
醜
(
みに
)
くく歪めたまま、逃げ腰乍ら一刀の
鯉口
(
こひぐち
)
を切ります。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜来たばかりの彼女は珍らしく今朝から老母に代つて早起して
甲斐々々
(
かひ/″\
)
しく
絣
(
かすり
)
の
鯉口
(
こひぐち
)
の上つ張りを着て、心持寝乱れの赤い手柄の丸髷に
姉
(
あね
)
さん
冠
(
かぶ
)
りをして、引窓の下の薄明るい
竈
(
へつつひ
)
の前に
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
柔和さうに見えた小六郎が、打つて變つた
激怒
(
げきど
)
に身を顫はせて、一刀の
鯉口
(
こひぐち
)
をきつて詰め寄るのでした。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
覆面の武士は、三人の供を後ろに追ひやるやうに、刀の
鯉口
(
こひぐち
)
を切つて平次の前に立はだかつたのです。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早くも
鎧通
(
よろひどほ
)
しに氣がつくと、用箪笥から持つて來て、血塗つてお鈴の死骸に握らせ、自害らしく見せかけ、隣の部屋へ引つ返して鎧通しの
鞘
(
さや
)
の
鯉口
(
こひぐち
)
まで拭つて置いた。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
櫻庭兵介が
鯉口
(
こひぐち
)
をプツと切ると、八五郎横ツ飛びに五六歩、早くも門の外へ飛出して居りました。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何時の間に歸つたか、一刀の
鯉口
(
こひぐち
)
を切つて、近寄らば目に物見せん構へです。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大振袖の紫の
褪
(
あ
)
せて居るのも淺ましい限りですが、精巧の
袴
(
はかま
)
は血に浸つて、前半に差した短いのはそのまゝ、細身の長い刀は、
鯉口
(
こひぐち
)
でもきることか、自分の身體が
芋刺
(
いもざし
)
になつてゐる癖に、
鞘
(
さや
)
ごと二
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それには間違ひもなく血が附いて居さうな氣がして、灯の下に持つて來ると、血などは少しも附いて居ず、その代り鞘の全體——わけても
鯉口
(
こひぐち
)
のあたりの
朴
(
ほう
)
の木が、心持濡れて居るのは見逃せません。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
プツリと
鯉口
(
こひぐち
)
を切つて居ります。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鯉
漢検準1級
部首:⿂
18画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“鯉口”で始まる語句
鯉口半纏
鯉口下