鬼韻きいん)” の例文
音色に鬼韻きいんのあるのは好ましいとさえ思うが、八寒嘯はっかんしょうという銘の意味を酌むと、なにもかも白い氷にてている天地が想像されてならない。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞くからに寒い音色や、春日平六の言った鬼韻きいんというような階調が、ほの暗い闇にうごく彼の指先からあやつり出された。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)