驕子きょうし)” の例文
驕子きょうし良三は往々五十四万石の細川家から、十万石の津軽家に壻入する若殿をしのいで、旅中下風かふうに立っている少年のたれなるかを知らずにいた。寛五郎は今の津軽伯で、当時わずかに十七歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)