駕屋かごや)” の例文
総門の両側には、むしろがこいの駕屋かごやたまりがある。そこにも、二、三名の侍が、股火またびをしながら、総門の出入りを睨んでいた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駕屋かごやすだれをはねさせて、川長かわちょうの明りへ姿を立たせたのは、身装差刀みなりさしもの、いずれもりゅうとした三人の武家揃い。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そこが、あの山のふもとかね? ……。まだずいぶんあるらしいが、どこかに駕屋かごやでもないかしら」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あ……あ……森様、息がつまります。離して、離して!」落ちたこうがいも拾わずに、男の手をふりもぎッたお米は、ふらふらと外へ出て、辻に見えた馴染なじみ駕屋かごやを呼んで
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駕屋かごやが声をかけようと、一向気にとめる風もないが、何かに見とれている場合、不意に馬の長い顔が肩へ食いつきそうにでもなる時は、さすがに少し驚いて蛙のように横へ飛ぶ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行く先も云わずに乗ったので、駕屋かごや
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どこかで駕屋かごやを呼んでまいろう」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あ、お待ちよ、駕屋かごやさん——」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)