“股火”の読み方と例文
読み方割合
またび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
総門の両側には、むしろがこいの駕屋かごやたまりがある。そこにも、二、三名の侍が、股火またびをしながら、総門の出入りを睨んでいた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寒くなると、爺さんは下駄棚のかげになった狭い通路の壁際で股火またびをしながら居睡いねむりをしているので、外からも、内からも、殆ど人の目につかない事さえあった。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ふちの焦げた火鉢に、股火またびをして当っていたのが、不精らしく椅子を離れて、机の上に置いてあった角燈を持って、「そんならこっちへお出でなさい」と云って、先きに立った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)