領巾ヒレ)” の例文
古く領巾ヒレと言ふものがあつた。采女が著けたものだ。昔は、ずつと短かゝつたのであらう。其にしても、其用途は未だに、はつきりしてゐない。
はちまきの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
玉劔を受領する時の動作に、「ワタす」と謂つた用語例もある。領巾ヒレ・袖をふるのも、霊ごひの為である。又、仮死者の魂を山深く覓め行くのも、こひである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もゝしきの大宮人は、鶉とり領巾ヒレとりかけて、まなばしらをゆきあへ、には雀うずゝまりゐて、今日もかもさかみづくらし。高光る日の宮人。ことのかたりごとも。こをば(雄略記)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
韓国のに立ちて、大葉子は領巾ヒレ振らすも。日本ヤマトへ向きて——欽明紀
「八島」語りの研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
武埴安タケハニヤス彦の妻吾田アタ媛密かに来て倭の香具山の土を取り領巾ヒレツヽ