領家りょうけ)” の例文
そういういい伝えのある井戸は、まだこの近辺の村にも二つも三つもあります。(秋葉土産。静岡県周智しゅうち郡犬居村領家りょうけ
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
篠村の領家りょうけには、長々、今日の時節を待っていた引田妙源やそのほかがいた。また一色右馬介について、これまで、さまざま働いてきた者どももいた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
在来の領家りょうけはその掣肘せいちゅうを受けたのみならず、収入をがれるがゆえに地頭との争訟は絶えなかった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
北日本海第一の大岳といわれる大山だいせんのふもとに住み、王朝藤原氏が盛んなころにできた大山寺だいせんじ三輪明神みわみょうじん修験しゅげんの大道場などを背景に、神領の領家りょうけとして富んできた一族。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さる領家りょうけから、かなりな量の註文が出そうなので、丹波まで行って来たい。大急ぎで帰って来るつもりだが、京のとくい先も廻って来たいし、ひょっとしたら、半月程にもなるかもしれぬ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
杉林にかこまれた古い領家りょうけ屋敷といった風。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)