文学全体の守り神としては、はじめて歌をおよみになった須佐之男命すさのおのみことなど最もふさわしいであろうが、評論の神さまとなるとちょっと気づかない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
須佐之男命すさのおのみことは、大空から追いおろされて、出雲いずもの国の、かわ河上かわかみの、鳥髪とりかみというところへおくだりになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
『古事記』にも、須佐之男命すさのおのみことの女須勢理毘売すせりびめが、大国主命おおくにぬしのみことに蛇の領巾ひれを授けて、蛇室中の蛇を制せしめたとあれば、上古本邦で女がかかる術を心得いたらしい。
ところが末のお子さまの須佐之男命すさのおのみことだけは、おとうさまのお言いつけをお聞きにならないで、いつまでたっても大海おおうみを治めようとなさらないばかりか
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
須勢理毘売すせりひめと婚するに臨み、今も蛮民間に行わるるごとく、姫の父須佐之男命すさのおのみことが、種々と大黒主神を苦しめてその勇怯を試みる中に、鳴鏑かぶらやを大野の中に射てその矢をらしめ
そのとき須佐之男命すさのおのみことは、大気都比売命おおけつひめのみことという女神に、何か物を食べさせよとおおせになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)