雲母坂きらゝざか)” の例文
人足等の総数は二十五萬人に達し、醍醐だいご山科やましな、比叡山雲母坂きらゝざかより大石を引き出すことおびたゞしく、堀普請などは、幾つにも区分けをして奉行衆が代る/″\人夫を督励し
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あたかも当時滋幹は、しば/\叡山の横川よかわ定心房じょうしんぼう良源を訪ねて佛の教を聴いていたので、彼がもしその帰るさに道を雲母坂きらゝざかに取って下山したならば、つい母の住むふもとの里へ出られたのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)