雲呑ワンタン)” の例文
三晩つづけてここで雲呑ワンタンを食べるのである。そこのあるじは、支那のひとであって、女の子を一人並の客として取扱った。彼女にはそれが嬉しかったのである。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
支那そば、雲呑ワンタンの、うまいところなんか、彼女に、きけば、たちまち判る。
うどんのお化け (新字新仮名) / 古川緑波(著)
……富岡町の支那チャン屋で雲呑ワンタンを喰ってると、そこへ電話がかかってきたんだ。上品な女の声でねえ……、こいつあ、たしかですぜ。(じろりと娘の顔を見ながら)嘘もまぎれもねえ女の声だったんで。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あるじは、雲呑ワンタンの皮を巻きながら尋ねた。
(新字新仮名) / 太宰治(著)