雑戸ざっこ)” の例文
所謂班田にあずからざる雑戸ざっことなって、種々の雑業に従事し、或いは祖先以来の浮浪生活を続けて、傀儡子としてながく後に遺る。
しかし前申す通り、雑戸ざっこは賤民ではありません。その中の陵戸のみは、賤民扱いでありましたが、その他のものは賤民ではない。
古代の賤民としては、右に述べた官戸・家人・官奴婢・私奴婢・陵戸の五つだけでありますが、これ以外に、別に雑戸ざっこというものがありました。
古代雑戸ざっこ時代・傀儡子かいらいし時代の余習をついで、大多数の工業者・遊芸者等はみな賤しいものとされていたのである。
エタに対する圧迫の沿革 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
餌取はもと主鷹司たかづかさ被管の雑戸ざっこで、後世の餌差えさしと同一のものであった。彼らがもと必ずしも賤民でなかったことは、別項「餌取考」に於いて述べておいた通りである。
エタ源流考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
百姓以外のものはすなわち非公民で、それには雑戸ざっこと賤民との別がありました。