雑兵輩ぞうひょうばら)” の例文
雑兵輩ぞうひょうばらささえに懸けかまうな。二陣、三陣、まっしぐらに踏みこえ、ただ八幡の森を目がけよ。彼処かしこにこそ、信玄の本営はあるぞ」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとより無知な雑兵輩ぞうひょうばらである。わっとばかり寄りたかッて俊基の身に縄をけようとする。が、俊基はきびしい眉をいからせて、しりぞけた。断乎としてゆるさなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あッ、父上ッ。——てまえが行きます。雑兵輩ぞうひょうばらの中へ、御自身、お踏みこみなされいでも」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「や。……今のは兄の愛馬の声ではないか」と、馳けつけてきて、月明りにすかしてみると、今しも兄の曹操はわずかな雑兵輩ぞうひょうばらの自由になって、高手小手にいましめられようとしている様子である。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも雑兵輩ぞうひょうばらは、こんな潰滅状態のなかにありながらも
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
推参すいさん雑兵輩ぞうひょうばら、ここを無人の砦と思うてまぎれ入ったか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)