隙虚すきま)” の例文
その次の瞬間に視線を投げる自分との間の隙虚すきまに、画布が寂かにすべり入り、その切断を充たさんとするとも考えられるのである。
自分が自分より隔てられたる隙虚すきまに正しく画布を挿し入るることは、地上の最も困難なる使命の一つであるとともに、多くの苦難をそれは用意する。
絵画の不安 (新字新仮名) / 中井正一(著)
存在が存在より隔てられているその隙虚すきまに画布がすべり入るとすれば、今や画布は深淵のごとき深さに沈みつつある。
絵画の不安 (新字新仮名) / 中井正一(著)
存在と実存在との隔たりの隙虚すきまに画布ならびにエクランはしずかにすべり入るとも考えられる。そこでは白い画布ならびにエクランは一つの疑問記号フラーゲツアイヘンである。
芸術の人間学的考察 (新字新仮名) / 中井正一(著)
自分が自分から隔てられているその隙虚すきまに、あるいは画布はしずかに滑り入るともいえよう。
絵画の不安 (新字新仮名) / 中井正一(著)