阿爺おとうさん)” の例文
彼は平生一滴も飲まぬが、今日はせめてもの事に阿爺おとうさん阿母おかあさんと盃の取りやりをしるしばかりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
阿爺おとうさん、大丈夫」とうしろから呼ぶ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
岩倉家の玄関で車を下りると、お馨さんの阿爺おとうさんが出て来た。座にしょうぜられて、一つ二つ淀みがちな挨拶をすると、阿爺さんが突然わァッと声を立てゝいた。少し話してまた声を放って哭いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)