闘諍とうそう)” の例文
宮古島の方では、アヤゴという古い語りごとの数々が伝わっていて、浅ましいまではげしい闘諍とうそうの数々が、久しい歳月を越えてなお記憶せられていた。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いつかはまたもっと手ひどく仇を受けるじゃ、この身終って次のしょうまで、その妄執もうしゅうは絶えぬのじゃ。ついには共に修羅しゅらに入り闘諍とうそうしばらくもひまはないじゃ。必らずともにさようのたくみはならぬぞや。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
たとえば宮古みやこ群島の方は、近世幾度かの地変があり、また住民の闘諍とうそう盛衰がはげしかったためか、民居耕田の跡が移り動き、且つ一般に稲作はやや衰えている上に
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大祓おおはらい祝詞のりとからでもうかがわれるが、おそらくは語言はほぼ通じ、したがって相互の信仰は理解し得られ、はげしい闘諍とうそうをもって統一を期するまでの、必要はなかったかと思われる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)