たけな)” の例文
天気がよいのに、秋がすでにたけなわという時ですから、多摩川をさしはさんだ両岸の山々谷々が錦のようになっています。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たけなわにして日光を受け競うて小なる黄色の頭状花(舌状花より成る)を開きすこぶる美観を呈する。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
弁信が自分の部屋としてあてがわれた三階の源氏香の一間に来て、夜具の傍らにホッと息をついたのは、この夜もたけなわなるある時刻の後でありました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)