長広舌ちょうこうぜつ)” の例文
旧字:長廣舌
「いや、それはいずれまた聴くとして」とあわてて検事は、似非えせ史家法水の長広舌ちょうこうぜつを遮ったが、依然半信半疑のていで相手をみつめている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
八五郎の長広舌ちょうこうぜつは、平次の思惑おもわくとは反対に、いとも面白く弁じ立てるのです。
この家の主人中川は平生へいぜい食物論を研究すると見えてしきり長広舌ちょうこうぜつふる
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その間レヴェズは、タラタラと膏汗あぶらあせを流し、野獣のような血走った眼をして、法水の長広舌ちょうこうぜつに乗ずる隙もあらばと狙っていたが、ついにその整然たる理論に圧せられてしまった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
とまたしても中川の長広舌ちょうこうぜつうながす。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)