長上ちょうじょう)” の例文
Yは相当なところまで出世した。しかし、Yの持つて生れた度外れの気位と我執がしゅうの性質から、たうとう長上ちょうじょうと衝突して途中で辞めて仕舞しまつた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
未熟な青年はいが老成の大家に向って讒誣罵詈ざんぶばりの文字を並べたり、ひとり天狗になって他人を攻撃したり、こういう人は殆ど先輩や長上ちょうじょうを尊敬するという道も知らん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その親という語も古くは限定せられて、ただ一つの群の長上ちょうじょうだけにつけられた名であったのが、さらに大親おおおやという語が必要になり、それにまたクムイなどを添えて、親雲上のような称呼を普及させた。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
長上ちょうじょうに対する礼儀のみからではなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)