ぢやう)” の例文
己が何遍門を叩いても、神の殿堂は外から鎖されてゐる。その戸にぢやうが掛かつてゐる。どうかしたらその鑰が己に見えはすまいか。
寝台ねだいの下にはあらず。)金庫は開きありて、鍵はぢやうの孔に差したる儘なり。金庫内には古き手紙若干と余り重要とも見えざる書類とあるのみ。
暫しありて、我は新婦にひよめの靜かに歩ゆみ、戸を開き、戸を閉ぢ、ぢやうを下す響を聞き、今は心安しとおもひて、そと歸途に就きぬ。われは心中に無量の喜を覺えたり。
戸のぢやうには内から鍵が插し込んであつた。そこでカミン炉はどうだ。炉の中を見ると、火床の上八尺乃至十尺位の所までは通常の広さになつてゐる。
ドユパンはこの詞の後の半分を小声でゆつくり言つて、しづかに立つて戸口に往つてぢやうを卸して、鍵を隠しに入れた。それから内隠しに手を入れて拳銃を出して、落ち着き払つてそれを卓の上に置いた。