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鑪
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やすり
ふりがな文庫
“
鑪
(
やすり
)” の例文
彼は製罐部の
護謨塗機
(
ライニング・マシン
)
の壊れた部分品を、
万力台
(
バイス
)
にはさんで、
鑪
(
やすり
)
をかけていた。——足場の乗りが一分ちがったとする。その時チエンがほぐれて……。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
一日がかりでシュタイクアイゼンに
鑪
(
やすり
)
をかけたり、靴の曲った釘を打ちかえたりするような、はたから見るとたわいもない労力までが、もう岩角へとっついたように緊張させる。
続スウィス日記(千九百二十三年稿)
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
煙の中に
藍
(
あい
)
を
湛
(
たた
)
えて、
或
(
あるい
)
は十畳、二十畳、五畳、三畳、
真砂
(
まさご
)
の床に絶えては連なる、平らな岩の、
天地
(
あめつち
)
の
奇
(
く
)
しき手に、
鉄槌
(
かなづち
)
のあとの見ゆるあり、削りかけの
鑪
(
やすり
)
の目の立ったるあり。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生きた骨にそのまゝ
鑪
(
やすり
)
を当てられるような、不快さが
直接
(
じか
)
に腕に伝わる。刃先から水沫のように、よれた鉄屑が散った。鍛冶場から、
鋲付
(
リベッティング
)
の音が一しきり、一しきり機関銃のように起った。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
鑪
漢検1級
部首:⾦
24画
“鑪”を含む語句
円鑪
鑪野