鎮静ちんせい)” の例文
旧字:鎭靜
この一条については下士の議論沸騰ふっとうしたれども、その首魁しゅかいたる者二、三名の家禄かろくを没入し、これを藩地外に放逐ほうちくして鎮静ちんせいを致したり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今ではそれがこうした生活に逆戻ぎゃくもどりしたくらいであるから、よほど鎮静ちんせいはしているが、それでもどうかすると昔の熱情がほとばしった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
同じ刺撃性の食物でも唐辛子とうがらし山葵わさびの類をせきの出る病人に食べさせたらいよいよ気管を刺撃して咳を増さしめるけれども生姜しょうがは咳を鎮静ちんせいさせる。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)