“錯然”の読み方と例文
読み方割合
さくぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、ゆうべの隆達ぶしの声、踊りの毛脛けずね。そして、涙をこぼして笑ったことなどが、錯然さくぜんと、頭にあった。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこかであったことがあると思っても、その意識はすぐさま錯然さくぜんとして混乱した。
(新字新仮名) / 室生犀星(著)
いちど受けた傷手いたでの深刻なにがさが、錯然さくぜんと、日が経っても皆の顔にただよっていて、なにを相談するにつけても敗者の傾きたがる消極か——また極端な積極へと走りたがってまとまらない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)