鋳掛いかけ)” の例文
旧字:鑄掛
日光を結構な土地ところと思つたのが間違で、日光には鋳掛いかけ屋の荷物のやうな、ぴか/\した建物があるだけで、那処あすこでは芸術は死んでゐる。
狸穴まみあなに落合って暮すうち、福島と岩根は折合をつけた。藤助という鋳掛いかけの心得のある下男にタガネを拵えさせ、未刻印小判にタガネを入れて、三千両を
かまちの柱、天秤棒てんびんぼうを立掛けて、鍋釜なべかま鋳掛いかけの荷が置いてある——亭主が担ぐか、場合に依ってはこうしたてあい小宿こやどでもするか、鋳掛屋の居るに不思議はない。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おなじ長屋に住んでいる鋳掛いかけ錠前直しの職人の女房が七歳ななつになる女の児をつれて、神明のお宮へ参詣に行って、四ツ(午後十時)少し前に帰って来ると、その晩は月が冴えて
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)