銃身じゅうしん)” の例文
「それよりも帆村はん、えらい妙な話がおますのや。それは蠅男の機関銃のことだすがナ、その機関銃の銃身じゅうしんがこっちには皆目見えへなんだちゅうのだす」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この一げきで、さしも精巧せいこうなドイツせいも、銃身じゅうしんがみにくくがってしまいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
陽炎かげろうのようなものが立つのか像はゆらゆらする。岩角に銃身じゅうしんを乗せ、宇治は身体を曲げて岩によりかかった。片眼を閉じて頬を岩肌にあて、指を撃鉄げきてつにかけた。照星の彼方に高城の姿が小さく揺れる。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)