采女正うねめのしょう)” の例文
「これはどうやら土屋采女正うねめのしょう様の、お下屋敷のようでございますな」歯茎の取れている老女がいった。が、すぐに紙がめくられた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一柳右近将監しょうげんが江戸大納言へ、服部采女正うねめのしょうが越後宰相へ、渡瀬左衛門すけが佐竹右大夫へ、明石左近が小早川左衛門佐へ、前野但馬守と長子出雲守とが中村式部少輔しきぶしょうゆうへ、等で
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
宗田といえばこの大垣藩の老職を勤める戸田采女正うねめのしょうを指す、戸田に三家あるので、宗田という処に屋敷のある采女正をそういうのだが、宗田と呼捨てにできるのは国家老だけの筈だ
山だち問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
水野監物けんもつが見える。又、親族の戸田采女正うねめのしょうや浅野美濃守みののかみなどが駈けつける。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小川町の歩兵屯所も土屋采女正うねめのしょうと稲葉長門守ながとのかみの屋敷の建物はみな取り払われて、ここに新らしい長屋と練兵の広場を作ったのであるが、ある一部には昔の庭の形が幾分か残されている所もあった。
その次には土屋采女正うねめのしょう様のこれも同じお下屋敷へ、次には美濃みのの豪農の関重左衛門の屋敷のほとりへ、その次には石山の仁王門の下へ、あばかれるを恐れて地を変えて埋め
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
土屋采女正うねめのしょう様のお屋敷へも牧野遠江守様のお屋敷へも、中川修理太夫様のお屋敷へも、水野豊後守様のお屋敷へも、いいえいいえそれどころではない、光圀みつくに様以来勤王の家として
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)