“郷國”の読み方と例文
新字:郷国
読み方割合
くに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……で、二人で湯を沸して、飯を喰ひ乍ら、僕は今から乞食をして郷國くにへ歸る所だツて、何から何まで話したのですが、天野君は大きい涙を幾度も/\こぼして呉れました。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
石本君、生別又兼死別時せいべつまたかねしべつのとき、僕は慇懃に袖を引いて再逢さいほうの期を問ひはせん。君も敢てまたその事を云ひ給ふな。ただ別れるのだ。別れて君は郷國くにへ歸り、僕は遠い處へ行くまでだ。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
君が赤裸々で乞食をして郷國くにへ歸るといふのは、無論遺憾な事だ、然し外に仕方が無いのだから、僕も賛成する。尤も僕が一文無しでなかつたら、君の樣な身體の弱い男に乞食なんぞさせはしない。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)