遠江国とおとうみのくに)” の例文
旧字:遠江國
江戸参勤中で遠江国とおとうみのくに浜松まで帰ったが、訃音ふいんを聞いて引き返した。光貞はのち名を光尚みつひさと改めた。二男鶴千代つるちよは小さいときから立田山の泰勝寺たいしょうじにやってある。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
遠江国とおとうみのくに日坂にっさか宿しゅくに近い小夜さよ中山街道なかやまかいどう茶店ちゃみせへ、ひとりの女があめを買ひに来た。
小夜の中山夜啼石 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
遠江国とおとうみのくに風土記伝)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山田は遠江国とおとうみのくに敷智郡ふちごおり都築つづきの人である。父を喜平といって、畳問屋たたみどいやである。その三男要蔵は元治げんじ元年うまれの青年で、渋江の家から浜松中学校に通い、卒業して東京に来たのである。時に年十六であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)