“辵(しんにふ)” の例文
三度の食事も、一ツ皿や一ツ茶碗で食べなければ満足しないと言ふやうな訳なんです。まづ何ですな。阿部お定に辵(しんにふ)をつけたやうなものなんでせう。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
坊主(ばうず)は居(ゐ)ねえか、無住(むぢう)だな。甚(ひど)く荒果(あれは)てたもんぢやねえか。蜘蛛(くも)の奴(やつ)めも、殿樣(とのさま)の方(はう)には遠慮(ゑんりよ)したと見(み)えて、御家來(ごけらい)の顏(かほ)へ辵(しんにふ)を掛(か)けやがつた。なあ、これ、御家來(ごけらい)と云(い)へば此方人等(こちとら)だ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)