輝高てるたか)” の例文
目安箱の上書がこうそうして、かえでの密議となり、元京都所司代であった松平輝高てるたかは、召されて将軍家から内々に秘命をうけた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門弟を集めること一千人に及び、まさに大事を企てようとしたが、時の京都の所司代たる松平輝高てるたかに搦め捕られて、追放の刑に処せられた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
折も折とて、輝高てるたかは、ちょうどこの頃、江戸長沢町ながさわちょうに兵法講堂を開いている、山県大弐やまがただいにという者に目をつけていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすれば、その儀について、この輝高てるたかがお召をうけるは必定ひつじょうである。その時、お上のおたずねに対して、そちたちの願望、足かけ十年の苦衷くちゅう、つぶさに申し上げる所存。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)