軽卒かるはずみ)” の例文
旧字:輕卒
そう決まると笹村は一刻も速く、この重荷をおろしてしまいたかった。そして軽卒かるはずみのようなおそろしい相談が、どうかすると三人の間にささやかれるのであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「今夜私がお前に話すことは、決して誰にも話さないという約束をしておくれ。それを聞かないうちは——然しお前に限ってそんな軽卒かるはずみなことはあるまいけれど」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
結局つまり二人で駈落かけおちなどいう軽卒かるはずみな事でもしやしないか、困ったものだと云う事が私の耳に入っているが、私も兄弟は無し、心細いから平常ふだん親切にしておくれのお前と
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「てめえは、雲的うんてきだな。雲的ともあろうものが、軽卒かるはずみなことをしゃべって、後でわらわれンな」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「けど、軽卒かるはずみなことは出来やしないよ。その人のためにもよくない。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「ああいう軽卒かるはずみなことは慎んでもらいたい。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)