身性みしょう)” の例文
どうも至ってやくざな身性みしょうで、故郷くにの清河県でちょっとした喧嘩でいりをやり、そのため、草鞋わらじをはいて、ここの大旦那のご庇護ひごにあずかり、もう故郷のほとぼりも冷めた頃なので
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三宅島しまにいたころのことを思や、これでも極楽ごくらく、下らねえ欲をかいて、変なことから、身性みしょうれでもすると、とんだことだと思って、つつしんではいるものの、精進しょうじんぐらしも、これで三年
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
綽名あだなの一つも持ったものが、娘っ子じゃあるまいし、舞台の上の男に惚れて、追っかけまわす——身性みしょうを知って、きらいに嫌っていると知りながら、あきらめず、相手の秘密を知っているをネタに
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)