越後上布えちごじょうふ)” の例文
越後上布えちごじょうふ帷子かたびらの上に重ねたしゃの羽織にまで草書そうしょに崩した年の字をば丸く宝珠ほうじゅの玉のようにした紋をつけているので言わずと歌川派うたがわはの浮世絵師五渡亭国貞ごとていくにさだとは知られた。鶴屋はびっくりして
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
越後上布えちごじょうふの単衣、——どう見ても丁稚でっちや手代の風俗ではありませんが、仔細あって、横山町の遠州屋の主人はツイ先頃非業の死を遂げ、跡取りはまだほんの子供だという話を聞いていたのでした。